ジェネッタの日々あれこれ

休日などの備忘録、面白かった本の感想など、メモしてきます。

新年度になりました。

 どうも、ジェネッタです。

 

 4月がはじまりあっという間です。中島みゆきの「私たちは春の中で」よろしく、この時期特有の猛烈な倦怠感と寂寞感と花粉症に襲われると思いきや、気候的な問題もあり、あまり鼻づまりに悩まされることなく、新年度のけたたましい業務に襲われる日々を過ごしてます。

 

 ここ一ヶ月は趣味=仕事っていうくらい仕事のことしか頭になくて、夜遅くまで働き、家帰ったら帰ったでtwitter覗いたら8億円がどうとか和菓子がとうとか、はたまた共謀罪と頭が痛くなるようなニュースばかり、つくづく先行きが不透明な時代にいるなと実感します。

 

 昨年度は休職していた仕事を再開し、初めて出先機関で働くことになりました。新しい職場に出て市民と触れ合い、自分が仕事をすることの意義を噛みしめる一方、仕事が政治の影響をもろに受けるせいか、改めて時代は刻一刻と息苦しい方向に向かっている実感を感じた一年でした。

 

 こうした情勢だからこそなおさら、他人に対して、社会に対して黙ったりせずに、大事なところで自分の意見をまっすぐ主張できる一年にしたいと思ってます。なんだかんだ場の空気に弱い人間なので、押し黙って後悔とかしてしまうとか、相手に合わせようとして、合わせられなくて疲れてしまう性分なのですが、今この時代に必要なことを見極めて、知識を蓄え、堂々と僕が僕であることを誇れる年にしたい、そんな風に考えてます。そんな感じですがよろしくお願いします!

 

 相変わらず文章書くのが苦手で、中々進まないのですが、ここの場もうまく活用してきたいですね。あ、貼り付ける写真も思いつかないので、適当に前に行ってきたボウイ展の写真を最後に添付。

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2月後半〜3月前半備忘録

2月26日(日)

 この日、珍しく日曜日が休みとなり、たまたま人と会う用事もなかったことから、数日前にFBで情報を知った「戦争の加害」パネル展を見に横浜までいきました。

 

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 今のご時世とてつもなくストレートできわどいタイトルな気もして、変な人たちが集っていることを覚悟していましたが、気にしすぎだったようです。

  中のパネルは「慰安婦」関連や南京事件の紹介はもちろん、731部隊ジオラマ付き)や毒ガス実験といった日中戦争の戦跡など、幅広く第2次大戦時日本軍の歴史が勉強でき、狭い展示室でしたがおおいに学ぶことができるパネル展でした。様々な団体からの持ち合わせらしく、また看板見ればわかるとおり、手作り感満載で、雑多な印象は拭えない展示でしたが、それでも多くの方が見にいらしたようで、今の時代にこれをやる意味はとても大きいでしょう。神奈川の市民の健闘には励まされます。

  ちなみに、この日は北宏一朗さんによる日本軍の毒ガス戦と企業の関与に関する講演が行われました。こちらも狭いスペースに観客がぎっしり埋まりましたが、非常におもしろかったです

 毒ガスは「貧者の核兵器」と呼ばれ、核兵器に比べると製造費用が少なく、材料の入手が簡単、さらに技術・設備も簡易で済むという特徴があり、三井化学住友化学といった大企業が積極的に、関わって製造されたとのことです。

 戦後も遺棄された毒ガスによる被害が中国で問題となっていること。戦争中に製造に加担した企業は今も堂々と経営を維持し、一方でベトナム戦争等のアメリカの戦争でも、会社の技術が積極的に使われたことなど、詳しい説明がありました。北さんの加害企業に対する淡々とした、しかし確かな怒りがひしひしと伝わる講演でした

 

2月27日(月)

 新宿で用事があったのですが、せっかく東京来たからには時間を有効活用しようと、新宿ピカデリーで映画見てきました。

 

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 「素晴らしきかな、人生」という、ウィル・スミス主演の映画です。ニューヨークが舞台の話でして、娘が死んで精神的に病んでしまっている主人公と、それぞれ悩みを抱える職場の同僚が、3人の舞台俳優と関わって再生してくみたいな話でした。この作品、公開間もないらしく、平日にもかかわらず人がたくさん来ていて驚きました。邦題がちょっと紛らわしくてどうかなという印象ですが、地味ながらよく練られた映画だったと思います。シックス・センス的などんでん返しがあったようななかったような。他の方の感想を見ると説明不足という意見もあったのですが、こうしたある程度演出重視な作品は、余計な説明入れると無粋でしょう。時間あればまた観に行きたいです。

 

3月6日(月)

 再び新宿ピカデリーに寄り、今度は京都アニメーション制作映画聲の形を観に行きました。もうこれで6回目なんです。上映はほぼ終了しているのですが、限定再上映2週間かつ、先着で複製原画がもらえるというおまけ付きもあり(冷静に考えるとそんないる特典かなという気がしますが)、意気揚々と鑑賞してきました。こちらも平日にもかかわらず、6〜7割は埋まっていたような。見に来ている性別、年齢的にも見事にバラバラで、色んな方から熱狂的な支持を受けてる映画なのかな〜と感じました。

 この映画、昨年9月に上映開始したのですが、すぐに聲の形は障害者ポルノではないかとか、ヒロインが美少女で受け身で、いじめ加害者に擦り寄ってるとか、色々話題になった作品でした。同じような時期に上映された「君の名は。」や「この世界の片隅に」等のアニメ映画の方が、結果として目立った印象もありますが、作品そのものの持つ魅力、そこから巻き起こる論争、ともに興味深かった。というよりも、総合的な完成度でいったらこの二作より高いと思ってます。

 反復する映像表現やピアノ主体の抑制されたBGMなど、演出も極めて高級ですが、何よりも作品の放つメッセージが、人生の本質に迫ってるんですよね。差別とは何か、暴力とは何か、原罪とは、贖罪とは・・・・・・何度見ても感動され、発見があり、なおかつ飽きがきません。改めてちゃんと感想を書いてみたいと思ってます。

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 映画を観終えた後、新宿の沖縄料理店で沖縄そばを食べたあと、新橋の汐留ミュージアムまで行ってマティスとルオー展」を鑑賞しに行きました。 

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 フォービスムの巨匠、マティスとルオーの作品と時系列にまとめた展覧会です。

 もともと、そこまで美術館マニアってわけでもないのですが、強烈な黒い色彩とダイナミックな描線、繊細な世界観と題材とで、昔からルオーだけは気になる絵師でした。日本でもかなり人気があり、所蔵されてる作品も多い人なので、何度か展覧会に参加したことはあるのですが、今回はマティスと一緒に見れるということで、一石二鳥的な気分でやってきました。

 今回の展覧会はこちらの方が熱くレビューされてますが、個人的にはそこまではまらなかったかなー。というか、マティスとルオーの熱い友情というのはわかるのですが、どうも二人の個性が強すぎて、いまいちどっちつかずの印象になってしまったような。マティスのジャズシリーズとか、あの空間の中では面白かったですけどね。相変わらずルオーの厚塗りの色彩は重厚感あってよかったですし。僕みたいなアート初心者よりかは、相当フランス芸術に通じてるような玄人が楽しめそうな展覧会でした。

 ちなみに、このチケットは僕がロッカーで服を入れてるときに、60代くらいのお姉さまが横から「間違って1枚持ってきて、余ったので」といってくれたものでした。ルオー好きに悪い人はいません。人類皆兄弟を感じた瞬間でした。